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森林総合研究所九州支所 平成24年版「年報」

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九州支所における平成23年度の研究推進の概要

支所長 中 村 松 三

 平成23年度は森林総合研究所第3期中期計画(平成23〜27年度)の初年度である。森林総合研究所はその中期計画で、A)地域に対応した多様な森林管理技術の開発、B)国産材の安定供給のための新たな素材生産技術及び林業経営システムの開発、C)木材の需要拡大に向けた利用促進に係る技術の開発、D)新規需要の獲得に向けた木質バイオマスの総合利用技術の開発、E)森林への温暖化影響評価の高度化と適応及び緩和技術の開発、F)気候変動に対応した水資源保全と山地災害防止技術の開発、G)森林の生物多様性の保全と評価・管理・利用技術の開発、H)高速育種等による林木の新品種の開発、I)森林遺伝資源を活用した生物機能の解明と利用技術の開発、以上9つの重点課題を設定した。

 九州支所では第3期中期計画の開始に当たり、研究プロジェクト等の実施では重点課題Aに位置づけられる地域林業への貢献を目指している。前年度支所により応募提案し採択されていた森林総研交付金プロジェクト「九州地域の人工林での帯状伐採等が多面的機能に及ぼす科学的評価と林業的評価を考慮した取り扱い手法の提示(H23〜25年度)」に着手するとともに、森林総研一般研究費実行課題に九州支所が実行課題責任者となる「高度に人工林化した暖温帯地域における多様な森林管理に資する技術の開発(H23〜25年度)」を設定・着手した。また、平成21年度より開始の農林水産技術会議実用化プロジェクト「スギ再造林の低コスト化を目的とした育林コスト予測手法及び適地診断システムの開発(H21〜24年度)」においても引き続き中心的役割を担って実施中である。なお、上記以外で支所研究職員が主査で実施中の森林総研交付金プロジェクトUが3課題、文科省科学研究費が1課題ある。

 さて、平成23年度における九州支所の研究職員数は29名(平成23年4月1日現在)である。その研究業務で得られた成果は関連する国内外の学会や研究集会等において269件発表された。また、国や地方公共団体等が主催する各種委員会等への委員等の派遣が129件、受託研修生8名の受入指導を行なった。また、研究技術セミナーを昨年度に引き続き実施した。さらに、一般市民を対象とした立田山森のセミナー3回、九州・沖縄農業研究センターとの共催による一般公開、「私達の暮らしと森の恵み」のタイトルで実施した九州地域研究発表会、年4回発行の支所広報紙「九州の森と林業」等を通じて研究成果の社会還元・普及に努めた。一方、地域連携では、九州地区林業試験研究機関連絡協議会を通じて公立試験研究機関との密接な連携を進めたほか、九州森林管理局や森林農地整備センター九州整備局と再造林の低コスト化に関わる技術開発に資する共同の実証試験等を実施し連携・協力をさらに進めた。

 今後も九州支所では第3期中期計画の着実な実施により、農林水産省が平成21年12月に策定した「森林・林業再生プラン」への貢献を視野に、森林・林業に関する様々な地域問題の解決に向け研究技術開発等努力していく所存であり、関係各機関の皆様のさらなるご支援とご協力をお願い申し上げる。

 
試験研究の概要
[暖帯林育成担当チーム]
ススキに被圧されたスギ植栽木の初期成長・・・重永英年
[生物多様性担当チーム]
ベッコウバエの森林環境指標種としての可能性・・・上田明良
[森林生態系研究グループ]
スギ・ヒノキ林の土壌最表層に流入する無機態窒素量の季節変化・・・稲垣昌宏
北部九州の鹿北流域試験地における土壌中の窒素動態・・・釣田竜也
スギ苗植栽後3年間の枯損と誤伐について・・・野宮治人
霧島火山群新燃岳の2011 年噴火による植生被害調査・・・安部哲人
外生菌根菌を接種したシイ・カシ実生の再造林放棄地における成長・・・香山雅純
スギ人工林伐採跡地に再生した広葉樹の1年目の成長・・・山川博美
ヒノキ若齢木における胸高直径成長と梢端の伸長成長の季節性・・・荒木眞岳
[山地防災研究グループ]
新燃岳噴火に伴って山地斜面に堆積した火山性噴出物の特徴・・・浅野志穂
海岸人工砂丘の周囲における風向別の風況推定・・・萩野裕章
[森林微生物管理研究グループ]
IGS1領域の塩基配列データを利用したシイタケ品種の判別について・・・宮崎和弘
[森林動物研究グループ]
霧島山地えびの高原におけるニホンジカ個体数の季節変化・・・矢部恒晶
沖縄島へのタイワンハムシの侵入と絶滅危惧種ノグチゲラによるハンノキ枯死木の営巣利用について・・・小高信彦
立田山に生息する哺乳類・・・安田雅俊
[森林資源管理研究グループ]
持続的管理が困難な私有林地の公的機関による取得・・・山田茂樹
端海野収穫試験地における林分構造の変化・・・近藤洋史
河原谷収穫試験地における林分構造の変化・・・近藤洋史
丸山収穫試験地における林分構造の変化・・・近藤洋史
山岳林における地上部現存量と合成開口レーダデータの関係・・・高橋與明
REDDプラス制度における環境社会セーフガード・・・横田康裕
試験研究の成果
平成23年度の発表業績
編 集:独立行政法人 森林総合研究所九州支所
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TEL:(096)343-3169 FAX:(096)344-5054