>>  Home  >>  九州の森と林業 >>第86号 平成20年12月1日発行
森林総合研究所九州支所 定期刊行物 九州の森と林業

樹木病害シリーズ(4)

センダンこぶ病

写真−1 主幹に多数発生したこぶ病徴

 センダン(栴檀)はアジアを中心に分布し、日本では琉球諸島や九州、四国、本州西南部の沿海地方に自生する落葉高木で、世界的にも緑化樹や公園樹として植栽されます。また、成長が早く、材も美しいことから、用材用に植林されることもあります。

 センダンこぶ病は、センダンの葉柄や枝、幹に小規模な隆起が起こり、それが半球形のこぶ状に肥大していきます。こぶは肥大と共に割裂して表面が粗造になります。(写真−1)こぶ病は植物に出来る癌のようなものですが、センダンこぶ病の場合、微生物である細菌が原因となります。何らかの原因で植物表面に出来た傷口から侵入した病原細菌が、センダンの組織細胞を異常に分裂させ、そこで細菌が増殖します。そして、増殖した細菌はこぶ表面に漏出し、雨水等に懸濁して、その飛沫に運ばれて傷口感染を繰り返します。罹病部木部は木目が乱れ、また変色や腐朽も起こるので、主幹にこぶが発生すると材質が劣化し、用材としての価値を失います。本病の被害は沖縄から九州南部や高知で知られていましたが、近年、九州中部地域でも被害が散見されます。

 病原となる細菌はグラム陰性の白色細菌Pseudomonas meliaeです。シュードモナス属の細菌によって起こるこぶ病は、他にもヤマモモ、サクラ等で報告されています。こぶ病の防除は一般に困難で、現在のところ、被害樹の伐倒や病患部の切除以外に方法はありません。

森林微生物管理研究グループ  石原 誠 


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