>>  Home  >>  九州の森と林業 >>第80号 平成19年6月1日発行

森林総合研究所九州支所 定期刊行物 九州の森と林業

樹木病害シリーズ(3)

はなぐされきん かくびょう

ツツジ類花腐菌核病

写真−1 ツツジに発生した花腐菌核病による被害
 写真−2 サツキの萎凋した花びら上に形成された菌核(矢印)

 今年のツツジの見頃も終わりましたが、皆さんの周りのツツジの咲き具合はどうだったでしょうか?実は、ツツジの花の咲き具合に影響を及ぼす病気があります。それは「ツツジ類花腐菌核病」という病気です。本病は子嚢菌の1種である「Ovulinia azaleae」が病原体によって起こり、ツツジやサツキの蕾または花を速やかに腐敗・枯死させるので、その鑑賞価値を著しく損ねます(写真−1)。症状は初め、蕾または花びらに白色の花では淡褐色の、有色の花では白色のしみ状〜不定形の変色斑を生じ、これが拡大して花全体を萎凋・下垂させます。退色萎凋した花は落下することなく枝に残って乾燥褐変し、その上に黒色の菌核を形成するので、それと分かります(写真−2)。この菌核は落下越冬し、翌年の感染源となるので、罹病花を除去して菌核の落下を防ぐことが有効な防除法と言えます。九州では主として開花期である4月に被害が発生し、開花前〜開花期に降雨が連続するような湿潤な気象条件の時に多発・激化します。

森林微生物管理研究グループ 石原  誠 


独立行政法人 森林総合研究所九州支所