きのこは「木の子」で樹木に関係するものが多いが、草である芝生や草原に発生するきのこも少なくない。大半は傘の直径が5cm未満の小型のきのこだが、直径40cmに達するオニフスベなどもある。またスーパーで売られているマッシュルームの仲間であるハラタケも草原に発生する。これらのきのこは、落ち葉や腐植層、枯れたシバの根を分解して栄養源にしている。中にはシバフウラベニタケのようにシバの根と共生関係にあると思われる種もあるが、生態的特徴は未解明である。
シバフタケは、傘は径2〜4cm、茶褐色で、乾くと白っぽくなる。ヒダは疎で白い。柄は細く中空だが強靭。全体的に乾燥ぎみ。夏から秋に、しばしば輪状に発生する。外国ではその直径が100mをこえた例もある。シバフタケの生えている場所の表面の落葉をはぐと、マットと呼ばれる白い菌糸の層が見える。落葉や土壌の有機質を菌糸でおおい、分解する。この菌糸層は雨水を地中に透さないので、増えすぎると問題になることがある。
ヨーロッパではシバフタケを好んで食用にするが、日本では食べる人は少ない。小型で肉が薄いので、あまり食欲をそそらない。ただし群生するので、数人が食べる分を一度に採ることは難しくない。また乾燥して保存できる。江戸時代に下総でヨシタケ、信州でオギタケ、筑後でヨシダケと呼ばれていたきのこがシバフタケに似ている。葦原に生えるきのこで食用にし、味はエノキタケに似ているという。