>>  Home  >>  九州の森と林業 >> 第37号 平成8年9月1日発行
森林総合研究所九州支所 定期刊行物 九州の森と林業

きのこシリーズ(11)

コガネキヌカラカサタケ

 全体が鮮黄色の美しいきのこです。傘や柄の表面は綿くず状の鱗片におおわれ,この鱗片は触ると落ちてしまいます。やや小型のきゃしゃなきのこで,傘の径は5cm未満,幼時は卵形,成長すると円錐形になります。ヒダは淡黄色で密,柄には壊れやすいつばがあります。食用というよりは観賞用で,ちなみに食毒は不明です。

 熱帯系のきのこで奄美,小笠原以南では普通に見られます。本土では珍しいようですが,植物園の温室などで見かけることがよくあります。

 このきのこが所属するキヌカラカサタケ属は,ヒトヨタケ属(傘が液化するので,短時間で姿を消してしまうので有名)に形が似て,きゃしゃなきのこが多く,ヒダが白または淡黄色で,傘の色も淡色なためか可憐な感じがします。

 この属を含むハラタケ科の多くは,土壌中の腐植を分解して栄養にしています。森林内の落葉や倒木は,いくつかの微生物が入れ替わりで分解していき,この腐植分解菌が関与するのは,最終に近い部分となります。栽培きのこのツクリタケ(商品名マッシュルーム)も同様の栄養のとり方なので,栽培には堆肥化した藁を使っています。

特用林産研究室 根 田 仁


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